密度関数の意味
「高さ」ではなく「面積」で確率を考える
できるようになること
- が確率ではなく「密度」である理由を単位の観点から説明できる
- が1を超えても問題ない理由を「面積が1かどうか」で説明できる
- 分布関数と確率密度関数の関係(積分・微分)を説明できる
「密度」とは何か
「人口密度」という言葉を聞いたことがあると思います。 例えば「東京の人口密度は約6000人/km²」のような表現です。
これは「1km²あたり平均6000人いる」という意味であり、「ある1点にいる人数」を表しているわけではありません。 人数を求めるには、面積に密度を掛けます。
確率密度関数の「密度」も同じ考え方です。 グラフの高さを確率だと思いがちですが、確率に対応するのは高さではなく面積 です。
確率密度関数とは何か
連続型確率変数 について、確率密度関数(probability density function, PDF) は次の性質を満たす関数です。
-
どの点でも0以上:
-
全体の面積が1:
- 区間の確率は、その区間の面積:
は確率ではない(単位で確認)
確率は「無次元(単位なし)」です。一方で、 には単位が付きます。 ここを押さえると、 を確率と混同しにくくなります。
式 を、単位の観点で見ます。
| 量 | 意味 | 単位の例( が cm のとき) |
|---|---|---|
| 方向の「幅」 | cm | |
| 1単位あたりの確率の集まり方 | ||
| 幅 の区間に入る確率(近似) | (無次元) |
例えば身長(cm)の確率密度関数なら、 の単位は です。 幅 (cm)の区間の確率を考えるときに、
の形で「確率(無次元)」が計算できる、という意味です。
したがって なら、170cm 付近の幅 の短い区間に入る確率は、およそ ( は cm)になります。 単独で「確率」と読むのではなく、区間とセットで読む のがポイントです。
が1を超える例(面積が1なら問題ない)
は確率そのものではないため、1を超えることがあります。 確認すべきなのは「全体の面積が1かどうか」 です。
例えば、区間 で一様な分布を考えます。このとき確率密度関数は になります。
高さは2で1を超えていますが、面積(確率)は1に収まっています。 「高さが1を超えるか」ではなく、「面積が1になっているか」を見ます。
確率密度関数のグラフを読む
確率密度関数のグラフでは、次の対応関係で読みます。
- 山が高い付近:その付近に確率が多い
- 山が低い付近:その付近に確率が少ない
- 区間の確率:その区間の面積

確率密度関数を読み取るときは、次の3点を確認すると整理しやすいです。
- 山の中心がどこか(起こりやすい値の付近)
- 山がどれくらい広がっているか(ばらつきの大きさ)
- 左右の形が似ているか(対称か、偏りがあるか)
分布関数との関係
分布関数 と確率密度関数 には、次の関係があります。
分布関数は「左側から までの面積」:
分布関数の増え方(傾き)が確率密度関数:
まとめ
確率密度関数 は、確率そのものではなく「1単位あたりに確率がどれくらい集まっているか」を表します。 区間の確率は という面積で求めます。
には単位があり、1を超えることもあります。 判断は「全体の面積が1かどうか」 で行います。
分布関数 との関係は次の2式で押さえてください。