確率の基本性質
確率が0以上1以下であること、全体の確率が1になることなど、確率が必ず満たす基本的な性質(公理)を整理します。以降の計算すべての土台です。
できるようになること
- 確率の4つの基本性質を説明できる
- 包含関係にある事象の確率の大小を判断できる
- 余事象の確率の公式を使って計算できる
確率はどのような性質を持つか
早速ですが問題です。
Q1. 確率が最大になるのは、どんなときでしょうか。反対に、確率が最小になるのは、どんなときでしょうか。
もう一問です。
Q2. のとき、 と の大小関係はどうなるでしょうか。(例:サイコロで「3以下」を 、「4以下」を として考えてみてください)
この2つの問いは、確率の基本的な性質と直結しています。 この単元では、確率が満たすべき基本ルールを整理します。
最大と最小:全事象と空事象
確率が最大になるのは、「必ず起きる」ときです。 確率が最小になるのは、「絶対に起きない」ときです。
確率の言葉では、それを次の2つで表します。
:起こりうる結果の全体=必ず起こる(例:サイコロで1〜6のいずれかが出る) :どの結果も含まない事象=絶対に起きない(例:サイコロで7が出る)
確率の範囲
確率はどんな事象 でも、
を満たします。
等確率モデルでは でした。 は結果の個数なので が成り立ちます。 両辺を で割ると、
が導かれます。
包含関係:A が B に含まれるとき
とは、「 が起きるときは必ず も起きる」という意味です。 このとき の結果は の結果の一部なので、 が成り立ちます。 両辺を で割ると、
となります。
余事象の確率
事象 が起きないことを、余事象 と書きます。 余事象の確率は次の式で計算できます。
理由はシンプルで、 全体は「 が起きる場合」と「 が起きない場合」に分かれ、
が成り立つからです。両辺を で割ると、
が導かれます。
まとめ
この単元では確率の基本的な性質として4つを学びました。確率は の範囲をとり、全体集合の確率は 、空集合は です。また、 ならば が成り立ち、余事象の確率は で計算できます。
これらは確率の計算結果を検証するときにも使えます。計算結果が1を超えていたり、部分集合なのに確率が逆転していたりする場合は、どこかで数え間違いが起きているサインです。